鮨屋が頭を丸めるワケ
たまにお客様から聞かれます。
「なんでお鮨屋さんは坊主頭にするの?」
それはですね、修行中だからです。
私たちは職人、鮨職人です。
仕入れから仕込み、仕込んだ魚の管理、調理、接客、経営、部下の育成と
それらすべてで
「最低でも店舗が持続可能なレベル」
を維持し続ける必要があります。
味覚や嗅覚、審美眼は自分の仕事をより高めるために日々磨き続けます。
カウンターのお客様ときちんとお話するためには様々な勉強もするべきです。
品良く、和やかで、それでいて適度な緊張感のある空気を保つよう
絶えず神経を使うべきです。
経験と努力が必要になります。
先ほど「最低でも」と書きました。
最低ラインを維持しなければ店が潰れてしまいます。
実際は最高を目指します。
すべてのことで「完璧」を求めるのが「職人」というものです。
完璧になれて初めて一人前、つまり修行が終わるワケです。
修行は一生終わらない
「たいそうなこと言ってるけど実際は全然ダメじゃん」
「はいすみませんm(__)m💦」
おっしゃる通りです、全面的に認めますm(__)mm(__)mm(__)m💦
完璧になんてなれっこない。
判っていても修行は続きます。
ずっと修行中、なので坊主なのです。
修行といえばお坊さん
お坊さんは煩悩を断ち切るために、その象徴である頭髪を剃ります。
頭を丸めるということは
「他のことに気を取られず修行に専念します」
と宣言することです。
私はこれから鮨を志す人にはその決意の象徴として
頭を丸めることを求めます。
「わき目を振らず一つのことに専念する」
と宣言してほしいからです。
ボウズはいい
最初はものすごく抵抗がある坊主頭ですが
一回やってみたらやめられなくなります。
もうね、本当にラク💛
寝ぐせなんざ着くわけもない
お風呂ではせっけん一個で全身OK
シャンプーなんて要りません
全身皮膚かよ!って感じ。
自分で散髪するから床屋代は永久にゼロ円です
それにさ
将来もし髪が薄くなっても白髪になっても誰にも気づかれないww
前髪気にする時間を仕事に充てれば年間でどれだけ積みあがるか
もうね、良いことづくめなんだなこれが
唯一困るのは「冬がものすげー寒い」こと。
あとは服装のセンスを間違うと途端に組員ルックになるから気をつけよう
と、いうことで鮨武の新人杉山くんも坊主が板についてきました。
修行、がんばれよ。