私はとある寿司学校で生徒を教えていたことがあります。

生徒たちの大半は
「これで夢の海外生活ゲットだぜ!」と意気揚々と入学してきます。

最近気になるメッセージを立て続けにもらったので

2013年に上げたこの投稿を少し手直しして再アップしておきますね。

『寿司学校で寿司の技術を身につけて海外に行くつもりが中々いい就職先がない。』

あのね
はっきり言いますがちょっとインスタントすぎです。

というより、実情を知らな過ぎです。

確かに、すしを「ちょっと」やれれば海外でアルバイトくらいならできるでしょう。
日本人が働いてる、っていう「顔」だけ欲しがる海外寿司店のオーナーもいるくらいですから。

だからみんなホイホイと海を渡ります。

でも1年程度で帰ってくる。

「給料が合わない」

「ビザがおりない」

「仕事がきつすぎる」

とか言いながら。

中には渡米3日で「使えない」と解雇されて帰国した人も知っています。

「海外なら、日本ではアウトな寿司でも普通に売れる」

「それ程高い技術は無くても海外なら通用する」

って何年前の情報ですか?20年くらい前とちがいます?

日本のスタンダードな寿司はほぼ世界中の国で認知されつつあります。

サーモンとチーズとアボカド扱うだけなら

もう日本人なんて必要ない、これが実情です。

だって現地の若者があなた方の100倍の執念で技術を身につけようとギラついてるわけです。

さらに、きちんと修業を積んだ日本の寿司職人で

海外からの求人に心が動いてる人が

あなたの上にたっくさんいるのです。

あなたが寿司店のオーナーなら誰を雇いますか?

「1年くらい教室で「練習」したってムリ」

と常識に戻って考えてくれればいいのです。

今海外でちゃんと稼いでいる人は

知識も技術もしっかりしている本物の寿司職人たちです。

多分あなたの図式はこんな感じでしょ。

「何となく将来に不安がある。就職もできない。」

「海外ってなんか輝いて見えるし、周りからもカッコよく見える。」

「今さら修業なんてイヤだけど、学校で楽しく寿司を教えてくれるなら
学費なんて安いモノかも」

なんかね、逃げ過ぎ。

ホリ〇モンの言葉※を、自分にも当てはまると信じてるなら現実と自分を直視できないバ〇すぎです。

※今の時代寿司屋で10年も修業するなんてアホ、寿司学校でチョチョッと覚えて海外で稼ぎまくれる、とかなんとか。。

大体寿司屋で10年なんてかからねーよ。それこそ何年前の情報だ。

結構。

一から修業の場に身を投じる覚悟がないなら学校も良いでしょう。
全く無駄とは言いません。

ただし、安直に海外に行けるなんて考えは捨てて

卒業後はアルバイトでもいいのでしっかり現場で働いてください。

そして
「自分がどれくらいのレベルの職人なのか」を確認してください。

同時にお金をもらうことの厳しさも身をもって知るべきだし

しっかりした腕を持てばそれこそ

「サラリーマンなんてアホらしくてやってられねーぜ」

って言えるくらいの給料がとれる、ってことも知ることができるでしょう。

「学校を出ても全く意味が無かった」

そんな話しを聞くたびに悲しくなります。

寿司職人の求人はこれからもあるでしょう。

慌てなくて大丈夫。

1年や2年で底をつく程度の技術でなく

しっかりと力をつけて

立派に海外で花を咲かせてください。

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と言ったあとでなんですが

次の投稿で

「寿司学校」⇒「海外」

の図式を成功させる方法をご紹介します。