先日、一人の若者が鮨武を訪ねてくれました。
奥江戸水産代表の西方亮さん。
東京都西部の奥多摩でほぼ一人で山女魚(やまめ)の養殖をしています。
私のブログのこの記事↓↓↓を読んで
「一度私が育てた山女魚を食べていただいて感想を聞かせていただけませんか」
と、お電話口からも誠実な人柄が伝わってくるのがわかります。
そこで魚を事前に送っていただき、翌日試食しながら意見交換をいたしましょう、という運びになったわけです。
サラリーマンから養殖漁師の世界へ
元々彼は都内でサラリーマンをしていました。
ある日、遊びに行った奥多摩の温泉施設で食べた山女魚(やまめ)の刺身に衝撃を受け
あまりのおいしさに驚いてお店の方に話を聞くと
「地元奥多摩で養殖している山女魚だが後継者がいなくてもうすぐ消滅する」
とのこと。
新潟県の自然に囲まれて育った西方さん。少年時代は近くの川で毎日生き物を相手に遊んでいたそうです。
「このきれいな奥多摩で好きな川魚を育てて沢山の人に喜んでもらう仕事」
「自分が引き継ぐことで貴重な川の資源を後世に残すという使命感」
山女魚養殖への転身を決意した西方さんは
2024年、東京都奥多摩町で後継者のいない生簀を引き継いで「奥江戸水産」を旗揚げしたのだそうです。
老朽化した設備との格闘がはじまった
引き受けたものの、何年も放置されていた養殖生簀にはヘドロと化した枯れ葉がたまり、壁面にはコケが分厚くこびりついていたそうです。
西方さんによると
「水質の悪化は魚の味は勿論ですが寄生虫対策上も絶対にダメ」
なのだそう。
そのために生簀の水を抜いて沈殿物を流し、きれいな水に入れ替える作業を毎日欠かさずやっているとのこと。
時には日没後も作業を続ける大変な労働量ですが、美味しくて安全な山女魚を育てるためにはとにかく水をきれいに保つことが不可欠で毎日の水管理は避けては通れないことなんだそうです。
実際、奥江戸水産のYouTube動画には、ほとんどが生簀の掃除をしている西方さんの姿しか映ってません。
実は、お電話をいただいて実際にお会いする前に奥江戸水産のYouTube動画を拝見したのですが
どの動画を見ても、映っているのは延々と生簀の掃除をする西方さんの姿だけ。。
事情を知らなかったのもあり、ちょっと退屈かも…、と思いながら見ていましたが
この「水が流れる音の中でずっと生簀の掃除をしている動画」が
実は西方さんの日常をドンピシャ表現していたんですね。
【奥江戸水産のYouTubeサイト】
https://youtube.com/@yamame_okuedo_daily?si=Cidd4f2QLUuJpck3
【都の検査機関で受けた衛生検査の結果表】
川魚にいるとされる寄生虫、残留薬品類もゼロ。安心しておすすめできます。



いただいてみて驚いた!甘い!
刺身や鮨として頂いてみると、養殖魚にありがちな臭みはまったく無く、澄んだ甘みとやさしい旨みがしっかりと感じられます。
西方さんによると、身の色をオレンジ色にする飼料や寄生虫を排除する薬品類は一切使っていないとのこと。
美味しいワケです。。
人の手が入らない山奥の清流と、西方さんの骨身を惜しまない努力がそのまま味に表れているんだなと感じました。
昆布締めや塩締め、生姜醤油や塩酢橘など、試食をしながら、将来の夢や奥多摩の現状、人手や後継者不足の問題についても話を聞かせてもらいました。魚のことを語るときの西方さんのまっすぐな眼差しと誠実な人柄が印象に残ります。





奥多摩山女魚、素晴らしいです!
奥多摩の清らかな水と、西方さんの献身的な仕事。その二つが生み出す奥多摩山女魚には、これからの可能性を強く感じます。
鮨武は江戸前を掲げる鮨店ですので、川魚の山女魚を定番のネタとして扱うのは少し憚られますが
「何らかの形でお客様にも味わっていただきたいな」
と思える、そんな素晴らしい魚です。
真冬のこの時季でも冷たい水とまっすぐに向き合う若者の熱意が大きく羽ばたくことを願ってやみません。
奥多摩山女魚と西方さんの事業が今後どのように育ち、広がっていくのかを楽しみにしながら、引き続き応援していきたいと思います。
西方さんの事業はまだ始まったばかりで、販売チャンネルなどはまだ未完成とのことですが、お繋ぎすることはできます。このブログを読んでご興味が湧いた方は当ホームページの「お問合せ」からメッセージでお伝えください。
(西方さんにもそのように了解をいただいています。)












