Quoraに勝手に答える――第6弾――

ユーザーが作るQ&Aサイト「Quora」に自分のブログで勝手に答える企画第6弾。

だってそっちに回答していちいち反論されたらメンドクサいんだもん。

今回選んだのは「ホリエモンの発言に共感できますか?」という質問。https://qr.ae/pGIIml

ホリエモンがどんな発言をしたかというと

「寿司のにぎり方や料理のレシピを覚えるのに修業は必要ない、すべてネットから拾える」

とおっしゃったと。https://www.itmedia.co.jp/business/spv/2103/27/news013_0.html

で、この発言にあなたは「共感できますか?」というのが今回のクエスチョンです。

私がどう答えるかあなたワクワクしてますね?

「バーローホリエモン、修業をなめんな!!!!」

って言うと思ってるあなた、ハズレです。

「私はこの意見に大賛成です」

今どきネットの動画やHow to 系のサイトで拾えるモノはどんどん拾って自分の引き出しに入れちゃえばいいの。

自分で河岸に行って安い魚買ってきて、ネット動画見ながら練習しろよって思う。

「まだにぎりはやらせてもらってません」

なんてチンとすましてる若い衆みると

「おまいさんそんなんで大丈夫なのか?」

と言いたくなる。

ただしそれだけで一人前の職人には多分なれません

『言ってることちがうじゃねーか』

ってはい、そうですね。

思うのはホリエモンさん、結局現場の仕事は分かってないんだろうなぁってこと。

「ネットから入手できないモノはない」って仰るそのことは多分その通りだと思う。

でもね、ネットから技術を吸収するったって

その技術ってやつが一体どれくらい沢山あるかお分かりでない感じです。

少しの技術で足りるならネットでOK

用意された魚を寿司に握るだけの、例えばスーパーの寿司調理コーナーとか、回転寿司のバックヤードで働くなら

ネットで数日練習すればいいでしょう。

事実パートの女性が、店側が用意したレクチャービデオで練習してお寿司作ってますもんね。

でも回転寿司で寿司を握りたくて修業する人なんて多分いない。

修業の道を選ぶ人はもう少し上を目指している

修業することを選ぶ人は、もうちょっと専門的で職人的なモノを得ようと思ってるわけ。

魚の仕込みをネットで学ぶっていうけど、鮨屋で扱う魚って50種類くらいあって

それぞれに

「仕入れの目利きと価格の感覚」

があり

「それぞれの魚でにぎり方や刺身の作り方が違う」

わけでしかも

「季節により手加減を微妙に変える」

ことを身につけていくのがつまり修業でしょ。

『こはだの選び方』

『こはだの仕込みかた』

『こはだのにぎり、こはだのつまみ』

これら全部ネットで拾えると思うけど、実際には

自分でこはだを買ってきて→仕込んでみて→食べてみて→を何度も繰り返して、実戦で通用するくらいまでスピードを上げていき…とやるわけでしょ?

これを50種類の魚で全部やるんでしょうか

全て独学で身に着けるのに一体何年かかるんですか?

それに練習用の魚の購入資金はどうするの?

資金を得るためには仕事しなきゃいけないわけでしょ?

だったら鮨屋で働くのが一番よくて、それってつまり修業に入ることじゃないんでしょうかね?

なのでやっぱりネットからだけではムリ

店舗での修行に入れば当然掃除や皿洗いの仕事はあるわけで

それが時間の浪費だと言いたいのかもしれないけど

全ての魚を店のお金で「練習」できるわけです。

難しい魚(例えば穴子)をやらせてもらうにはやっぱり半年や1年はかかるし

「きちんとさばける」までには100本や200本はおろさないとプロのスピードにはならないわけ。

さっきも言ったけど

自分で独学でやっても全部できるようになるには結局何年もかかるわけでしょ。

お客さまとの間合いやなんかも修業時代に身に着けていくわけだけど

それもネットで勉強するんだろうか?

なんか「異性にモテる方法」みたいな動画を食い入るように見るヤツみたいで気持ち悪いんですけど。

突っ込もうと思えば他にもいくらでも突っ込めるけど要するに

『ネットからだけの知識で寿司職人になるのはムリですよ』ってこと。

それだったら給料もらって現場で実戦経験を積みながら

空いた時間でネット検索して勉強するのが一番だと思いませんか?

寿司学校行くと100万とか150万とかかかるわけ、あ。。

ひょっとして寿司学校の宣伝なのか?そうなのか?

寿司学校で教えてくれるから修業は要らない、ってのも彼の主張にあって

「学校で勉強しただけの人がミシュランとってる」

から

「修業は要らない」

ってずいぶんと寿司学校の宣伝ぽい文章ですねぇ。

それは確かに事実なのだろうけど、

それって寿司学校卒業生全体のいったい何パーセントの人の話しなんでしょう?

でも彼の言い分はある意味間違ってない

「一人前になるのに10年かかる」っていうのは全くのウソ。

だから「修業ありきという風潮には反対」、という彼の言い分は正しいと思う。

本気でやれば2~3年でなんとか形にはなるんじゃないか?

そのためには「教えてもらうのを待ってる」のではだめで

自分から貪欲に成長していくパワーが不可欠なの。

そのためにネットでも何でも遠慮せずどんどん利用しなよって思う。

「出る釘は打たれる」でも負けるな

後輩にそういう「やる気満々でハングリー」な人が入ると、自分の若いころと比べて

「負けてる」

と思う先輩から嫌がらせを受けたりするわけ。

「ネットなんかで得た知識なんか役にたたねーよ」

とかなんとかさ。

残念ながら職人の世界にはこういうのが今でもいるんだよな。

そんな先輩はとっとと追い越しちゃえばいい。

でもいちいち揉めない、上手に付き合う、それもまた「修業の一つ」だよ。

と、また「質問に答える」という趣旨から違う方向に着地しそうな雰囲気だけど

このまま終わろうと思います。

最後に

がんばれ修業中の諸君、使えるものは何でも使って一日でも早く「稼げる職人」になれよ!