生まれた川に戻る鮭や渡り鳥、鳩の帰巣本能など
地図やコンパスを持たない動物たちがどうやって方角を察知しているかは
長年の研究の対象になっています。
日本人が世界一消費している黒マグロは、日本の南西諸島などで産卵し
身体が小さいうちは日本沿岸で過ごします。
その後遙かアメリカ大陸を目指して太平洋を8000㎞も旅するのだそうです。
そして米国周辺で豊富な餌を得て身体を大きくし、再び産卵のために日本に戻ってきます。
クロマグロを上から観察すると、濃い青色で全体がおおわれているが頭の頂点辺りに1カ所だけ色が薄くなっている所があり、まるで円形脱毛症にかかったように見えます。
この穴の下には 松果体と呼ばれる視細胞があって明るさを感じることができるのだそうです。
松果体は体内時計の働きを持っていて、この体内時計と太陽の光の角度をたよりに広い海をおよぐのだそうです。
なんだか凄すぎて実感がわかないと言うか。。
昔、太平洋島々に暮らした海の民は、
例えばオリオン座の三つ並んだ星を結んだ線と水平線の角度を見て
正確な航路を割り出していたと、昔読んだ本に出ていました。
言葉も道具もないマグロが、光の量を感知するだけで太平洋を自由に横断してしまう。
まぁそれが本能というもので、
渡り鳥も、鮭も、蝶でさえ、道具を持たずに気の遠くなる距離を正確に移動することができるわけですね。
ひょっとしたら人間が一番ダメなのかもしれない。
生き物って凄いなぁ。