初競りでのまぐろのお祭り騒ぎは
 毎年色んな意味で楽しませてもらってます。
過去には鮪一尾3億円なんて年もありましたね、笑っちゃいます。
 今年はキロ当たり98万円、魚体が276㎏なので一尾で2億700万円という価格になりました。
 凄ーく手抜きしてざっくり計算するとお鮨1個分の原価2万円くらいです。
「そんな値段で仕入れて元はとれるの?」
 とよく聞かれますが取れません。
 ご存じの方も多いと思いますが「宣伝効果」です。
「2番じゃだめなんですか!?」
 ってまぐろの味は2番でも全く変わらないんだけど
 狙ってるのは「1番まぐろ」っていう宣伝文句なので2番じゃだめなんです。
まぐろネタは視聴率がとれるのでテレビが飛びつきます。
 同時期に流される大間のまぐろ漁師の特集番組も
 視聴率獲得に苦労してるテレビ業界にあってテッパンの高視聴率番組なんだそう
 これら全部ひっくるめて
 「まぐろ初競りマーケティング」
 なんだってこと
人々は彼らが打ち上げたまぐろ花火を見上げてワーワー言ってる構図です
 まぐろは食べない、花火をみてるだけ
 花火はどうせなら豪華じゃなきゃいけない
 まぐろの価格も「わりと高い」より「すげー高い」方が注目度もあがるでしょ
そういう意味では
 まぐろを買ったおのでらグループ、競り落としたやま幸、それを流すメディアと
 皆さま無事に注目を浴びることができてよかったね、って話しです
因みに、時を同じくして開かれた名古屋市場の初競りでは
 同じく大間の本まぐろ188㎏を
 地元のスーパーがキロ2万7千円で競り落として自分の店で売りました
 もちろん通常よりは高いけどお客様は喜んで買い求めすぐに売り切れになったとか
同じ大間の本鮪が東京の36分の1の価格で競り落とされたことはニュースにはならないんですな
 今年の豊洲には三厩や戸井からも優秀なまぐろが入ってきていたけどこれもニュースにならない
『初もの』を愛でる伝統は日本人として実感はできるけど
 なにか違和感を感じませんか?
 そこのあなたどう思います?
初ものに“おひねり”くらいは投げてあげたいし
 今年一年の商売の成功を祈念して贅沢する気持ちは分かるけど
 限度ってものがあらね
目ん玉が「¥」になった連中の小芝居とそれを無節操に垂れ流すメディアを見てると
 逆に興ざめしやしませんか?
え?
 あたしだけ?
 すみませんでしたm(__)m
 今年もよろしくお願いいたします。









