『赤い酢』と書きますが、どちらかと言うと色は茶色系です。

検索してみると、薄い紅茶のような色から黒に近いものまで 実に様々な赤酢が売られています。

各メーカーごとに製法にこだわりがあるようですが、『原料が酒粕である』ことが赤酢の定義です。

透明(薄黄色)な酢は、小麦やトウモロコシ、米が原料でこれらを単体あるいはブレンドして作られます。

製造に要する時間も一般的な酢が数か月なのに対して、赤酢は5年以上かけて作られます。

長期間熟成されることで酢特有の刺激がとれ、マイルドでうま味に満ちた酢になるわけです。

一方で製造に手間がかかるので価格が高いということになります。

江戸時代の中期、もともとは高級品だった酢を、ミツカンが酒粕からつくることを発明してから値段がグンと落ち、鮨の一大ブームの火付け役なったんですね。

なので鮨屋の酢はもともとは赤酢を使っていたんだそうです。

それが戦後の食糧難で良質なお米が手に入らず、茶色に変色したお米で鮨を作らざるを得なかった時代、それをごまかすために赤酢を使っているという噂が広まり、赤酢を辞める店が続出したわけです。

茶色く変色したお米なんて、今では目にすることは全くないけど、当時はそんな時代だったんですね。

鮨武では赤酢と塩だけでシャリを合わせます。

旨味に満ち、主張しすぎないタイプの赤酢と、絶妙の塩梅に収まる塩の加減で

鮨武のシャリはいつもお客様から褒めていただいています。