北海道の東部に位置する厚岸町は、1年を通して食べることができる牡蠣の名産地として知られています。この地と牡蠣の結びつきは古く、厚岸湖周辺に散在する縄文時代の遺跡からも沢山の牡蠣の殻が出土しています。
牡蠣だけではなく、ウニやアサリ、昆布に鮭にブリ、鰯と豊かな海産物が一年を通して水揚げされる漁業の町。港町らしい荒々しさと、海の幸がもたらす豊かさが混在した不思議な魅力を感じる町でした。

地元漁師が営む「カキキンオイスターバー牡蠣場」
訪れたのは、地元厚岸出身の牡蠣漁師、中嶋均さんが営む「カキキンオイスターバー牡蠣場 KAKIKIN」。

船着き場の目の前にあるモダンな店内で、自分が育てた牡蠣を一つ一つ剥いてお客様に提供しているのがマスターの中嶋さん。手がける牡蠣はもちろん鮮度抜群。特に「カキエモン」と言う銘柄はここ厚岸のオリジナル牡蠣で、力強い美味しさとスッとなくなる後味の軽さで何個でも食べたくなります。
マスターのお勧めはこれに「厚岸ウィスキー」を数的垂らす食べ方。ウィスキーのスモーキーな香りと牡蠣の潮の風味が口の中で一瞬で溶け合う感覚。全く反発しあわず、しかも牡蠣の旨味がぐっと盛り上がってくる…。
「うまいぞ…。なんだこりゃ…、旨い!!!」
厚岸ウィスキーは「厚岸蒸溜所(Akkeshi Distillery)」で作られるオリジナルウィスキーです。オーナーがスコットランドのアイラウィスキーに感銘をうけ、「アイラモルトのスタイルと厚岸の自然を融合」をコンセプトに2016年に操業を開始しました。完成まで10年15年と寝かせるウィスキーの蒸留所としては若いですが、すでに世界中の愛好家から注目を浴びまくっているんだそう。

ウィスキーは熟成中、その土地の風土の影響を強く受けるものだそうで、厚岸の四季や潮風、ピートに含まれる海藻によるヨード香で複雑で美味しいウィスキーになるんだとか(中嶋さん談)
「なるほど。。」とか言いながら聞いてましたが頭は半分酔っ払い、おまけにウィスキーの専門知識が無いのでお話は半分くらいしか入ってきません。思い出しながら書いてるけど合ってるかな。。。
そのウィスキーと、これまた厚岸の風土が生み出す牡蠣を合わせるのだから、馴染むのは当たり前なのかもしれません。
それにしても美味しかった。また味わうには厚岸に行かなくてはならないんですよね、もっと食べておけばよかった。今度はお店の近くに宿を取ろう(食い&飲み倒れ上等)






ウィスキーをかけます
厚岸の夜を歩いて帰る
他のお客様が帰って我々だけになったあとは中嶋さんも一緒に飲みながら牡蠣や地元の漁についてお話を聞かせていただきました。いつしか店員さんも帰り店内には我々だけ。

ついつい長居したことのお詫びとお礼を申し上げて外に出ましたが、タクシーの営業はとっくに終了。宿までは「歩いて3~40分かなぁ」と中嶋さん。
「これもまた一興」と佐々木くんと夜の厚岸をふらふらと歩いて帰りました。

海風が少し肌寒く、町は暗く寝静まり、ほろ酔い気分も手伝ってとてもいい気分。
「旨かったねー」は100回くらい言ったかな。
振り返れば、これもまた旅の思い出です。