鮨武のワサビは(山葵)は静岡県中伊豆の「カネイチわさび園」様より直接送っていただいています。

山葵にとって鮮度は非常に大切で、氷温での管理が欠かせません。

鮮魚とほとんど同じと言っていいくらいです。

鮮度の落ちた山葵は香り、甘み、辛味ともにぼやけてしまい、もっと落ちると色も黒ずんできます。

その点で産地からとれたてを直接送ってもらえるのはとてもありがたいことです。

中伊豆「カネイチわさび園」から届いた山葵

山葵の旬は秋から冬、味も香りも濃くなっていきます。また春には山葵の花もお浸しで美味しいですね。

山葵の種類ですが

鮨武で使っているのは代表品種の「真妻・マヅマ」といい、水に対して神経質で、育つのが遅く、痛みやすいので生産コストがかかるが、その分味と香りがよく、市場でも高値です。

もうひとつ代表的なものに「実生・ミショウ」山葵があり、こちらは育つのが早く、比較的低コストで作ることができます(あくまで真妻と比べれば、です。)高級スーパーなどで見かけるのはこちらが多いです。

もう一つ「山わさび」というのがあって、こちらは西洋ワサビと言って沢ではなく畑でつくります。北海道や東北で多く生産されていて、ローストビーフに付いてくるのがこれです。

(※山葵の品種改良は続いており、この他にも沢山あります。また台湾などからの輸入品も最近は多いですね。)

「山葵を醤油に溶いてはいけない」と言われるのは、ワサビの香り成分はとてもデリケートで、しかも水溶性なので、醤油に溶かすと簡単に消えてしまうからです。

でも私はお客様がそれをやっていても別段なにも言いません。

「ワサビを醤油に溶かすな」

「せっかく高いワサビを仕入れて神経使って鮮度を保って香りを楽しんでもらおうと思ってるのになんでその努力をムダにするんだ。」

ということ。

香りは飛びますが辛味や甘みがすべて無くなってしまうわけではありません。

残念な気持ちにはなりますが、何を楽しむかは人それぞれ。

勿論聞かれればご説明しますが、ここはひとつ、お好きにお召し上がりください。

ちなみに、お刺身のワサビが残ったのを「下げないで!」と言われるのが実は好きです。

ワサビをお箸でちょっととってお醤油をちょん、よくご存知で。

酒の肴にいいですね。

ただし香りはすぐに飛んでしまいます。お早目にどうぞ。