紋別からサロマ湖、そして美瑛、富良野へ
2024年7月20日北海道上陸5日目。
早朝に紋別を出発して快晴のサロマ湖へ。サロマ湖までは目と鼻の先の50㎞。途中、湧別の港で釣りでもしようかと立ち寄ったら、釣りが出来る防波堤はなく、代わりに引退した「初代流氷砕氷船ガリンコ号」が陸揚げ展示されてました。
船首のドリルのようなスクリューは、「ネジを廻すと前に進む」という原理を利用した「アルキメディアン・スクリュー」と呼ばれるもので、これを回転させて氷に乗り上げ、船体重量を加えて氷を割ることで流氷域を航行するんだそう。
これ考えた人、ぜったいサンダーバード見てたなWW
因みに今は「イメル(アイヌ語で雷)」と名付けられたガリンコ号Ⅲが元気に就航中で、毎年1月~3月に流氷の遊覧航海をしてるとか。冬の湧別か、バイクじゃ厳しそうだけど乗ってみたい気がするぞ。
サロマ湖に到着
ホタテ貝や牡蠣の養殖、しま海老や秋の鮭漁で有名なサロマ湖も一度来てみたかった場所です。新鮮な魚介類を観光客に売るお店が建ち並んでいると思っていましたが意外にもひっそりとしていました。
比較的モダンで大きな住まいと水産加工施設がゆったりとした間隔で建っています。国道239号線からサロマ湖の北側を通る龍宮街道に入って少し進むとサロマ湖登栄床(とえとこ)漁港に到着しました。
完全に無風、鏡のような湖面。エンジンを切ると無音の世界になりました。
サロマ湖ってこんなに静かなところだったんですね。さすがに普段は漁船が行き来して賑やかなんだろうけど。
佐々木君が当然のように釣りの準備を始めます。
私もやろうと思ってバイクの荷物を解いていると、ふと向こうの桟橋で船から何か水揚げしているのが見えました。登栄床の港は広く、作業している方も豆粒くらいにしか見えませんが、漁師さんが何やら大きな塊を陸に揚げています。
急いでバイクで近づいてみました。何だろう、海草のかたまりのように見えます。
「おはようございます。昆布…ですか?」
「牡蠣。牡蠣だよぅ」
許可をもらい、近づいてよく見ると
「確かにカキだ…。」
分かりますか?海藻類に絡めとられるように、埋もれるように牡蠣があります
ロープで海中にズラッとぶら下げた牡蠣に海草がうわーーっと繁茂したのを
引き上げて丸めてカゴに入れたので一つの塊のように見えています
「どっから来たの?」
「東京です」
「それに乗って?」とバイクを指さして
「はい!」
「かわった人だね~あんた(笑)」
この方紋別でも老舗の水産会社、「神栄」の今泉克臣さん。
牡蠣をフォークリフトで持ち上げて走りだしたのであわてて着いていき
この後の作業を見学させていただくことになりました!
「こんなの見たって面白くないよー」
と仰りますが逆です(笑)ありがとうございます(ヤッター)
休むことなく進む作業の邪魔をしないように身体の位置を変えながら色々と質問してみます。
それによると
①牡蠣はホタテの殻などに稚貝を付着させ、海に入れ成長させる(牡蠣に様々な種類の海藻が生えて写真のようになる)
②ある程度成長したら引き上げてロープから外し、同時に付着した海藻類をきれいに掃除する。
③きれいにした牡蠣を網かごに入れ、再び海に戻す。
こうすることで自らの重さでロープから落下する損失を抑え、栄養が牡蠣に行き渡り、身が大きく味も良くなるんだそうです。
簡単に書きましたがそれぞれの作業はもの凄い重労働。
今泉さんの牡蠣は「サロマの雫」というブランド名で銀座の専門店にも毎年出荷してるとのこと。
「それにしても大変な作業ですね」
と私の言葉に破顔一笑
「これをやらねーと旨い牡蠣にならないから仕方ねーよなー」
と豪快そのもの、牡蠣も美味しくなるわけです。
後で食べさせてくれた牡蠣とホタテ、旨かったです!ありがとうございました!
サロマ湖を後にして富良野へ
「飯でも食ってけ」
と嬉しいお誘いをいただいたのですが、今日はこの後旭川、美瑛を経て富良野までいかなければならず
既に予定時刻を大幅に過ぎていたので丁重に辞退してサロマ湖を後にしました。
もっとお話を聞きたかったのでとても残念、今でも少し心残りです。
富良野への道は『ホッカイドー‼』な景色の連続
サロマ湖から富良野までは下道で約230㎞。
旭川、美瑛と観光も入れて6時間ほどかけました。
「これぞ北海道」
の道をいくつも乗り継ぎ、景色の良いところで止まって写真撮影。
空と丘と太陽と緑。終わることのない絵画のような景色の連続に
心だけでなく、身体に溜まった老廃物すらもパーーっと抜けていくよう感覚を何度も味わいました。
インカムの佐々木君も終始絶叫気味。
抱いてきた「北海道ツーリングのイメージ」が見事なくらいに現実のものとなって夢のような気分での移動となりました。