富良野から襟裳岬、サラブレッドの里 浦河町へ
2024年7月21日上陸6日目、今日は富良野から帯広ー広尾町ー襟裳岬~浦河町と走ります。
距離は約300㎞、この旅も終盤です。
「北の国から」のロケ地に
国民的人気ドラマ「北の国から」が放送終了して20年以上たつんですね、早いものです。
せっかく富良野に来たのでロケ地の一つを見学に行きました。
背景とか大まかなストーリーは知ってるけど見てないんですよね~「北の国から」
まだ朝早く開館前だったので奥まで入ることはできませんでしたが、ゲート付近のセットは間近に見ることができました。
木々に囲まれて静かに建つ手作りの家や小屋たちは、撮影終了後20年の時を経て、今なお往時の人々の熱を発散させていました。
そしておそらく当時と変わらない鳥たちの鳴き声と草土の匂い。
それら全てに包囲されて息を飲むようにしばし押し黙りました。
「帯広で豚丼」
言葉にしがたい感動を覚えながらドラマの主人公五郎さんの遺言の碑へ
一時社会現象になったほどの人気ドラマの主人公、黒板五郎さんの「遺言」をまえに
少しの間沈黙がつづきます。
沈黙を破って唐突に
「今日の昼めし、何にすっか」
と発言したのは私ですが
「帯広で豚丼」
と秒で答えたのは佐々木君です。
絶対読んでなかったでしょ、遺言。
ほんと、そういうとこあるから気をつけた方がいい、俺たち。
そうと決まれば出発です。富良野から帯広までは下道で約100㎞。
頭が北海道モードになってる我々には楽勝に感じられる距離です。
帯広の豚丼、旨かった~!
グーグルマップで検索して良さそうなお店に行ったのですが開店前なのに10人くらい並んでいます。
バイクの温度計は35℃、この炎天下に並ぶのはやめようと意見が一致してここは通過
ほどなく別の豚丼のお店「豚丼のはなとかち」さんが登場したので行ってみました
結果…、めっちゃ美味しかったです!びっくりしました。
柔らかくて風味の良い肉に甘辛のタレが丁度よく絡み、山ワサビがいいアクセントに。お肉自体の美味しさを消さないように主張を抑えたタレ加減がニクいです。濃い味が好きな人用に追加のタレがテーブルに置いてあるのも、控えめの味付けであることを自覚されているからでしょう。鮨屋の私はこういう「素材の味を前に出す」料理に反応するんです。
そして後ろの席のおじさんと店の方の会話
「グリンピース抜いて」
「うちのは枝豆ですけど」
「いや、だから抜いてって」
美味しいもの食べてテンション上がってるところへ聞こえてきた、嚙み合いそうで噛み合わない会話。
枝豆をグリンピースに間違われることが我慢ならない店側と、何でもいいから緑の豆を抜けと主張するおじさん。
まぁまぁ日常で目にする光景を、わざわざ書き残しておこうと思ったのは
旅先では道端の花も愛おしく思えるあの心情だなと思っていたが
今思うと、ただ脳が熱さでバグっていただけかもしれないな。
で、はなとかちさんの豚丼、写真を改めて見たら乗っているのは確かに枝豆だぜ。
画面をスクロールして写真を見返してくれたあなた、ありがとうございました。
ばんえい競馬場に行ってみました
「帯広でどこか見ておいた方がいい所ってありますか?」
と「豚丼のはなとかち」の店員さんに聞いたら
「競馬場ですかね~」と。
「おお、ばんえい競馬、そり引くやつですよね、あれって帯広だったんだ」と佐々木君。
こういう知識の広さみたいなのが凄いんだよなこのおっさん。
早速お会計を済ませて見学に行くことにしました。
見学と書いたけど本当は一発当てて今回の旅行代浮かそうぐらいの鼻息だったんですけどもね。
あいにくレースの時間まで2時間以上あり馬券は買えず。せっかくマークしたエントリーシートも無駄になってしまいました。
人生初の馬券購入は幻になったけど記念として写真だけ残しておきましょうかね(佐々木君によるとこの馬券、買えてたら結構な額になる当たり馬券だったらしい)
十勝漁港を経て襟裳岬へ
熱波と直射日光でクラクラする帯広を出発して十勝港を目指します。
ふと気づけばこの旅もあと二日
「北海道らしい道でちゃんと写真撮ろう」
ということで路肩にバイクを止めて写真撮影です
「ちゃんとした写真を撮ろう」とバイクを止めたのにどうしてこんなことになったのか、今思い返してもよく分からないです、「北海道らしい道」の意味ねーし。
飛んでる人間より道路の影のほうが ”イイ感じ” なのが面白いと言えば面白い。
佐々木君は警察モノでよく見る被害者のカタチをチョークで書いたアレ。アタシのは飛び蹴りって感じww
興味深かったのは南下するほど気温が下がったこと
旭川・美瑛・富良野・帯広とまぁウダるような暑さで、バイクで走っててもメロメロ。
南に行くともっと暑くなるかと思ったけど逆でした。南下して海に近づくに連れて風気が冷えていくのがわかります。
同じ海沿いでも北のオホーツク沿いは結構な暑さだったから不思議なもんですね。
国道336号線を南下して野塚川を渡り、緩やかな左カーブを超えると海まで一直線の道が5㎞程続きます
太平洋に出て緩い右カーブを過ぎると十勝港です。
海って何回来てもテンション上がります。
「なんなんだろうね」と話すけどよくわからない。
今回も道の先に遥か太平洋の水平線が見えた瞬間二人同時に『ウミキターーー!』
いや、「なんなんだろう」って二人とも子供なだけでしょって。
十勝港広尾漁協はお休みでした。広尾産のつぶ貝はよく買っていたのですが、数年前の赤潮で捕れなくなってしまい、その後の状況を地元の方に聞いてみたいと思っていたので残念。
襟裳岬
十勝港を出て襟裳岬へ。
海沿いの道をひたすら南下していきます。
ゴロタ石の海岸では昆布を干す漁師さんの姿、この地方特産の三石(みついし)昆布でしょうか。
繊細で柔らかいのが特徴でお正月の昆布巻きやおでん昆布にも適しています。
三石昆布は日高地方から襟裳岬を超えて釧路地方まで広く取れますが、このうち日高で採れたものを日高昆布と呼びます。
鮨武でもお節をやっていたときはよく使わせていただいてました。実際に作っているのを見るとなんだか嬉しくなります。
左に太平洋を見ながら進み、えりも町立庶野小学校の先で国道336から左に逸れて少し進むと…
ついに襟裳岬到着です。何だろう宗谷岬のときより嬉しいぞ。
何というか我々の大好きな先っちょ、「最果て感」がすごい。
バイクを止めて襟裳岬の看板に向けて歩き始めると佐々木君がすかさずあの曲を流します、あの曲です。
「チャーララーチャラッチャラーララー♬~北の~町では~もう~♬ 悲しみを~暖炉に~♪」
襟裳岬の看板をバックに森進一さんの真似をして動画を撮ったのですが、自分で見たらびっくりするほど似てなかったのでここには載せません。似てないを通り越しておぞましいんだもの。
それにしてもやってきました襟裳岬。
冬に来たらさらに最果て感を味わえるのだろうけど、今は只々美しい場所でした襟裳岬。
いや~いいなぁ襟裳岬。
やっぱり自分で歌おうかな襟裳岬。
『襟裳の~はるぅわーーーあーあー、なにもーないーはるでーーーーーーーすぅーーーーー♬』
かぁコンチキショー!!!!
テンションMAXでお土産買いすぎちゃったっての。
あぁ楽しかった~今日の宿へ
時間が押してきたので名残を惜しんで襟裳岬を後にします。
今日の宿は浦河町にある「優駿ヴィレッジ・アエル」
名前からも分かるように「サラブレッドの里・浦河」を象徴するようなホテルです。
牧場に囲まれていて、館内には競走馬のオブジェがあちこちに。競馬好きにはたまらない場所です。
引退した往年の名馬がこの地でのんびり過ごしているのを見て、涙を流す競馬ファンも少なくないのだとか・・・わかるぅ~。
いや、分からん。でも馬はかわいいです、柵にいると挨拶に来てくれます。
競走馬は観光用ではなく、しかもとてもデリケートなので万一興奮させてケガでもさせちゃうと大変です。
頭の中はこの子に鞍もつけずに飛び乗って草原を疾走する自分を完璧にイメージできましたがギリギリのところで思いとどまりました。
「乗ってもいいのに~」と馬語でテレパシーを送ってくれたけど、ここは紳士的に「お申し出へのお礼」だけ馬語で返して静かに離れました、今度は遊ぼうね~。
(ただの妄想です、と注意書き書こうと思ったけど信じるヤツはいねーやな)
夜は浦河町のお寿司屋さんへ
優駿ヴィレッジ・アエルは街から離れた牧場地帯にあるので近くにお店はありません。
そこでタクシーで地元のお寿司屋さん「道楽」さんに行って軽めに乾杯しました。
磯つぶ貝の煮物とニシンのなめろうが美味しかったです。
明日はもう最終日かぁ、早いなぁ。