魚の仕入れは築地市場に出向きます。
市場の入口のひとつ、開港橋口の脇に「波除神社」があります。
江戸湾埋め立て工事の安全と漁師たちの豊漁を祈願して1659年に建立された大変に由緒ある神社です。
今では商売の神様として、買い出しに来た人が神社に一礼していく光景をよく見ることができます。
鳥居をくぐると巨大な獅子舞が左右から睨みをきかせています。
日本一大きな獅子舞だそうでつきじ獅子祭りの主役ですが、あるのは頭だけ、体は大きすぎて入りきらなかったのでしょう。
この神社で興味深いのは日々大量に消費される「魚」や「エビ」などに感謝する塚があることです。
その中の1つに「すし塚」があります。私にとっては特別な存在です。
建立にたずさわった方の名前の一人として「毛利剛三」と読むことができます。
私の大叔父で当時鮨商組合の会長でした。
家業の「亀井鮨」を兄の定司とともに大いに盛り上げた方でした。
この人の名前を見るために、築地市場が去ったあとも私はこの神社に足を運び
この名前を見ることで気持ちを新たにすることができるのです。
2023年6月加筆