新子はコハダの稚魚です。鮨屋では新子とよびます。
毎年6月の半ばに初物がでて、8月には無くなります。
初物はキロ当たり10万円をこえるのがここ数年のお約束で、徐々に値が下がっていきます。動画は2018年の7月20日頃ですが、大分大きくなってきて扱いやすい時節のものですね。
で、新子。
初物は決まって静岡県の舞阪。舞阪とは漁協の名前で、場所は浜名湖です。
何故か浜名湖産とは言わず舞阪マイサカといいますね。
初期の新子の大きさはシッポから頭の先まで2㎝半ほど。
おろすとその半分程度の大きさです。
当然1匹ではお鮨にならないので4~6枚を少しずつずらしながら重ねて一貫のにぎりにします。
最高値のころでこれで原価で1000円位でしょうか。
知り合いの銀座の店では1貫4000円だそうです。
「なんでそんなに高いの?」
とよく聞かれます。簡単です。
「その値段で買う人がいるから」です。
『その価値があるか』
さぁ、いかがでしょうねぇ。
まぁ腕時計やクルマみたいなものと通じるんだと思います。
その価値があると思える人にはあり、対価を払える人は払う。
バカバカしいと思う人は手を出さず、欲しいとは思っても払えない人は目をそらす。
鮨武ではコースにお入れしますので一貫いくらは意味を持ちませんが
やはりこれを1年間楽しみにしていた人に笑顔になっていただきたく
せっせと精進するわけですね。
大変は大変なんだけど、新子。
何故かこの時期になるとちょっと気分が高揚します。
オレも鮨屋なんだなぁ・・・。