大間に着くと凄い展開が待っていました
2016年9月12日 大間・気仙沼ツーリング1日目
本州最北端到達の喜びを佐々木君と分かち合い、写真を撮ってからさっそく目の前のお土産屋さん
『大間観光センター』(https://www.oma.co.jp/)へ。こちらの代表横山一夫さんは以前からフェイスブックで友達になっていて、今回のツーリングのこともお知らせしておりました。
横山代表から嬉しいお誘いが
その横山さんが「マグロ漁師の山崎さんと会いますか?」とお誘いくださったのです。
あの山崎倉さんと飲める!?
ご存知の方も多いでしょう。山崎倉(オサム)さんと言えば大間のマグロ漁師の中でも神様と言われる存在で毎年恒例の「大間の鮪漁師」をテーマにしたテレビ番組では、顔が出ない方が珍しいくらいです。
14歳でお父さんの船で勝手に漁に出て半世紀。66歳の今でも年間のマグロ漁獲高は1,2を争うトップ漁師。ネットでも「山崎倉」と検索すると彼を特集したテレビ番組がダーッと出てくる、まさに大間を代表するマグロ漁師です。
私が鮨屋で、大間の鮪を毎年仕入れていると知っている横山さんが、我々と山崎さんを引き合わせてくれると言うのです。何という親切、何という粋なはからい!もう大感謝です。
「あの山崎さんに会える…‼」
指定された時間までちょうど1時間。すぐ隣の民宿「海峡荘」で30分仮眠の後、集合場所の「ろばた三平」に向かいました。
山崎倉さんと居酒屋で鮪談義!
我々が店に入ってすぐに山崎さんが入ってきました。第一印象は若干不機嫌な感じ。初めましてと声をかけてもこちらの顔を見てくれません。それで何となく固い雰囲気で会食が始まりました。
それでもそこはみんな釣り好き鮪好き。私が東京の鮨屋で大間の鮪にとても入れ込んでいることを話すと山崎さんも徐々に笑顔が出始め会話も盛り上がって行きました。
「気難しい所もあるからひょっとしたら15分くらいで帰っちゃうかもしれない、そうなっても気にしないで」と横山さんから言われていたので内心ドキドキしてましたが、何のなんの。
気に入られたのか強い酒をバンバン注がれてフラフラになりながら大間の鮪の築地での価格やお客様の反応、津軽海峡のウニの値段の話で盛り上がります。
佐々木君が相模湾で20㎏の鮪を釣った話を向けると、身を乗り出して仕掛けや誘い方を質問してくるのです。普段200㎏の鮪を相手にしてるあの山崎さんが。すごい好奇心。
「今日はマグロの反応がなくエサを殆ど使わなかったからここへ来れた。あんたらもついてるけど今日はオレも楽しい」
と言ってくれた時は嬉しかったなぁ(実際には津軽弁?がほとんど聞き取れてないのだけど💦)
大間の凄腕漁師2人が合流。エンドレスの盛り上がりへ
ふと山崎さんが電話をかけたあと、次の店に我々を誘います。すでに二人ともヘロヘロでしたが、ここまで来たらとことん行くしかありません。喜んでご一緒すると歩いてすぐのスナックに。
そこで飲んでいた二人の若い鮪漁師(熊谷義宣さん、菊池一夫さん)に合流して二次会が始まりました。
このお三方、普段から仲良しだそうで、山崎さんが「東京から面白い人たちが来てるから合流しよう」と誘ってくださったんだそうです。
横山さん曰く「山崎さんがこんな事するのは本当に珍しい」とのこと。
そこからは漁師三人の話とカラオケで盛り上がりました。皆さん歌が上手い上手い。
山崎さんもいよいよ上機嫌で
「冬の海で船が沈没して死にかけ、奇跡的に救助されたこと」
「たとえ10㎏の小さなマグロでも大切に思っていること」
そして
「マグロがかかって糸が走り出した瞬間のときめき」
時にやさしく、時に真剣に、止めどなく語り、よく笑い、よく飲みます。
「アンタらは俺のことをマグロのことさなんでも知ってると思ってるけど、マグロがしゃべるワケじゃないから実際はなーんもわかってねーんだよ。そんなに簡単で単純なものではねーんだ。一生勉強なんだ。お鮨屋だってそうだろ?さ、飲め。」
胸に浸みます。
明日さオレの船さ乗れ
三次会の中華料理屋で酎ハイを飲むのにヒーヒー言ってた時山崎さんが言いました。
佐々木君とほぼ同時にガッツポーズ。
「嬉しいですけど寝なくていいんですか」(この時午前2時…)
「なーに、酒は楽しく飲んで明日もマグロ釣りさ出ればいいべ?」
この時熊谷さんと菊池さんは少し複雑な表情を浮かべた後、少し怒ったような声で
「大丈夫か?海甘く見んな。明日は(風が強く)吹く。生半可な気持ちで乗ったら死ぬぞ」と。
分かってます、分かってるつもりです。実際昨日からほとんど寝てないし、明日は本当は午前中には出発して気仙沼まで行かなければなりません。
でもこの機会を逃したら多分一生無いかもしれない…。答えは一つしかないです。
「朝オレの船さ来い」
予想の5倍濃い初日が終了
ここ大間に来るためにバイクに乗り込んだのがちょうど24時間まえ、昨日の朝3時ころでした確か。
仕事終わって家に帰ったのが11時半くらいだったからーえーっと睡眠2時間くらい?
ふーん、それで今からまた3時間寝て明日は大間の海ね。
OK、最高に楽しいぜ。来てよかった!と思ったと今なら想像できるけどその時に思ってたかは記憶にありません。そう、宿に着いてからの記憶などあるワケもなく、佐々木くんも2秒で大いびき。
まぶたが落ちるのをやっとの思いでこらえてアラームをセット、同時に眠りの底にへ「ドン」と堕ちていったのでした。