国産本鮪の聖地、大間崎にバイクで行ってきました①

大間に行きたいと思っていた
青森県下北半島の先端で、本州最北の地「大間崎」
言わずと知れた国産生本鮪の超一級産地です。
津軽海峡の本鮪は大間の他にも津軽半島の三厩(みんまや)や竜飛
北海道の戸井や松前などでも水揚げされ
実は大間だけが一流で三厩や戸井の鮪が質が堕ちるかというとそんなことはありません。
でも私はなぜか「大間」という響きに特別な感情を持っていて(単にテレビ放映の影響!?)
一度はこの地を訪ねたいとずっと思ってきました。
「とにかく遠い、長い、行きづらい」そんな地理的最果て感もチャレンジスピリッツをくすぐっていたのかもしれませんが、
「偉そうな顔しておーまおーま言ってるくせに、産地をたずねたこともない」
ってところが、実はずっと引っかかっていたからです。
津軽海峡にマグロがくるのは夏から冬
マグロは7月から12月の約半年間、大間の海、津軽海峡にやってきます。
「せっかく行くなら、できればマグロの水揚げ風景を見てみたい。」
マグロ漁の最盛期は10月11月。
7、8月はまだまだ水揚は少なく、10月以降は凍結や降雪の心配も出てくる。
バイクで行くなら9月しかありません。
今回、中学からの後輩で友人、飲み・ツーリング・マージャン・釣り仲間で
おまけに鮨武常連の佐々木くんと話しが進み、ついに
「バイクで大間に行く」
という少々無鉄砲な計画が実行されることになりました。
旅の目的は3つ
①電車や飛行機を使わずバイクで本州最北端に到達する(ライダー?として)
②鮨武でお世話になっている超A級マグロの産地を表敬訪問する(鮨屋として)
③東日本大震災の復興を感じとり、同時に国産赤貝の一級産地「閖上」を見学する(日本人の鮨屋として)
なので、この記事は単にツーリングの記録にとどまらず、マグロや水産環境
東日本大震災の爪痕やその復興へも話が飛びます。
時に焦点が分かりづらいと思われるかもしれません、あしからずご笑覧ください。
計画は中々よかった
今回まず目指すのは本州最北端の町、大間町。
青森県には二つの大きな半島があります。
ひとつは地図左下にある津軽半島、もう一つは右側の「斧」のような形をした下北半島です。
津軽半島の先端(さきっちょ)が、「竜飛崎」石川さゆりさんのヒット曲「津軽海峡冬景色」のなかで歌われていますね。
もう一つが今回の目的地下北半島のさきっちょ「大間崎」です。
が、下北半島にはのもう一つの先端「尻屋崎」があります。
最初はこの3つの先っちょを全て回ろうと計画しました。
でもそれだと移動距離が長すぎてただ走るだけの三日間になってしまう。
マグロの水揚げを見るための待機時間が必要なので
残念ながら竜飛崎は次のチャンスにまわすことにしました。
事前に佐々木君と立てた計画では以下のようになりました。
時間 | 出発地 | 時間 | 到着地 | 走行距離 | |
初日 | 4:00 | 東北道蓮田PA | 17:00 | 大間崎 | 約850㎞ |
2日目 | 10:00 | 大間 | 18:00 | 気仙沼 | 約400㎞ |
3日目 | 7:00 | 気仙沼 | 16:00 | 蓮田PA解散 | 約550㎞ |
初日の尻屋崎経由大間までが13時間とかなり長いですが、
とにかく初日は移動だけして、宿に着いたら温泉入って早目に就寝すれば
あとの二日は400~550㎞を休憩、見学しながらのんびり走るだけ。
二人の体力を考えれば
「ムリの無い、いいツーリングになるぞ!テンション上がってきた!!」
というのが出発前の感触でした。
これがあんな嬉しいハプニングで計画変更になるとは思っていませんでした。
初日
東北道をひたすら北上 ひとりカラオケ激唱
バイクは250ccのホンダ製スクーター。いわゆるビッグスクーターです。
佐々木くんも偶然同じバイク。
本格派バイク乗りの皆さんはスクーターをバイクと呼ぶことを嫌がる人もいるようですが
一般人から見ればどちらもバイク、なのでここでは一貫してバイクと呼ばせてもらいますね。
で、バイク。
毎日仕入れで使ってます。
オートマだから楽ちん、積載が無限(笑)、シートがデカいので疲れが少なく、100㎞巡航で手も全くしびれません。おまけに車検もなし♪
当日はシート下に着替えや予備の防寒具、キャリアケースには地図などすぐに出せるもの。
ハンドル下にはハンドタオルやガム。
リアシートには何でも入れられる発砲スチロールの箱(お土産満載用)を積んで準備完了。
雨予報だけど漁師仕様のカッパと長靴で防水も完璧。
2015年9月12日3:00am、自宅を出発です。
奥さんと娘(10才)が起きてきて「気をつけてね~」と見送ってくれました。
ありがとね。事故なく帰ってくるから。
自宅からすぐの首都高に入り、まずは待ち合わせの東北道蓮田SAを目指します。
距離は約40㎞、250ccの単気筒なので高速道路では100~110の間が快適速度。
追尾やバイク用オービスを気にしなくてすむと思えば気が楽です。
首都高を抜けて蓮田までは30分程度で到着、すでに佐々木くんのバイクもあります。
はやる気持ちを抑えてコーヒーを飲み、地図をみながら休憩と給油のタイミングを確認。
ここでは「疲れてなくても1時間(約100㎞)を過ぎたら次のSAに入る」
と取り決めしました。
楽だとはいってもバイクはバイク、ずっと同じ姿勢でいると知らず知らずのうちに
疲れが溜まって思考も雑になり、思わぬ事故に繋がりかねません。
時間は予定通り4:00am、安全第一を確認してさあ出発です。
佐々木くんも釣りをするのでカッパと長靴は頑丈なのをもってます。
雨の高速走行でも全く濡れず、無風の東北道は快適そのもの。
徐々に明るくなる視界にテンションも上がりっぱなし。
ヘルメットのなかで小林旭の「北へ」を大音量で熱唱してもだれにも迷惑かけません(^O^)
(おーれーはあーすーもまた~キターへながーれー~る♪ヒャッホー)
休憩とストレッチ、給油、朝食、昼食と摂りながら順調に北上し、14時に八戸に到着しました。
八戸までおよそ650㎞、10時間。
歌える歌はほぼ歌いつくし、気付けば声はガラガラ。
バイクよりもそっちで消耗したんじゃないかしらと思うくらい疲れも自覚してきたけど
まだあと200㎞ほどあり、しかも下道。
あまり休んでもいられないので前進します。
下北半島突入!
第一目的地の尻屋崎まで約130㎞。
初日で一番きつかったのがこの区間。
信号が少ないとはいえ、下道を130㎞も移動したのは初めてでした。
疲れる疲れる。
尻屋崎に明るいうちに着くのは分かっていたけど
問題はその次
大間までの海岸線はどうしても明るいうちに走りたい。
海越しに北海道を見ながら最果ての海岸線を走るんだもの、夜はないでしょ夜は。。
なので頑張って走りました。途中ほぼ休憩なし、ガソリン入れてコンビニでお金おろしたくらい。
良くないですね、よい子はマネしてはいけません。
尻屋崎到着 16時
時間がないから途中「恐山霊場」の標識が出ても寄り道する余裕がない。
とにかく尻屋崎めざしてひたすらひたすら、ひったすら北上し16時過ぎ
やーーーっと尻屋崎到着!
結構疲れたけどテンションはマックス!!
いざ!大間へ のこり70㎞!!
いよいよ初日のクライマックス、大間崎への海岸線ツーリングです。
もうここまでくれば疲れなんて感じません。
途中、原発関連の廃棄施設があり、これがやたら立派で厳重な警備がしかれており
周りの原野との対比に色々考えちゃったりしたけど
そこら辺の考察は今はやめようと頭の隅に封じ込め
北の原野や海景色を楽しんでのライディングになりました。
空は相変わらずどんより曇っていましたが
念願の北海道もはっきり見え気分も最高です。
スピードを落として景色を楽しみながらのんびり走りました。
そし17:45pm
青森県下北郡大間町、本州の最北端に到着しました!!!
いやーよく頑張った。
笑ってはいてもさすがに疲れが見えますね。
そりゃそうだよね、朝3時からここまで15時間。
2人でガッチリ握手して、さあ温泉でも入って美味しい魚たべて
夜9時には寝て翌日に備える
はずでした・・。
次に続きます→国産本鮪の聖地、大間崎にバイクで行ってきました②
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